出西窯
出西窯

出西窯の歴史略歴

1947年(昭和22)

8月、5人の青年(同人:井上寿人、陰山千代吉、多々納弘光、多々納良夫、中島空慧)が 2人の賛助者の協力をもって創業する。斐川町出西の多々納重成邸内に仕事場を建設し、陶技の研究に取り組む。

1948年(昭和23)

9 月、初窯を出す。イギリスの工芸家ウィリアム・モリスの書に影響を受ける。河井寬次郎先生、浜田庄司先生に会い、民藝の話を聞き絶大な感銘を受ける。

1949年(昭和24)

金津滋氏の指導により民藝運動に参加することを一同決心する。地名により出西窯と名を定める。松江・袖師窯の尾野敏郎氏の縁で柳宗悦先生の知遇を得る。

1950年(昭和25)

初夏、隣村の隆法寺住職山本空外上人 (広島大学教授) に師事し、仏教に集団の理念を見いだす。夏、河井寬次郎先生来訪、指導を受ける。日常の食器類を作り始める。

記念品について 記念品について

[ 昭和28年頃 ]
牛小屋と納屋を改造した工房

1951年(昭和26)

10 月、柳宗悦先生ご来窯下さる。この道に迷いなくなる。

記念品について

[ 昭和27年頃 ]
柳宗悦先生からのはがき

1952年(昭和27)

10 月、吉田璋也先生に師事し、鳥取民藝協団に参加する。浜田庄司先生の指導を受けて益子に学び、また丹波、五条坂に学ぶ。

記念品について

[ 昭和41年 ]
吉田璋也先生からのはがき

1953年(昭和28)

5 月、バーナード・リーチ先生が舩木道忠工房隣の丸三陶器工場に 1か月ほど滞在して制作をおこない、通って教えを受ける。6 月、日本民藝協会全国大会が鳥取で開催され、その後に、柳先生、浜田先生、リーチ先生が来訪し、実地に指導を受ける。

記念品について 記念品について

[ 昭和29年 ]
バーナード・リーチ先生からの手紙

1955年(昭和30)

4 月、中出西に仕事場を移す。通産大臣賞を受賞する。秋、高松宮殿下御成り。この年、組織は、組合員一人一口平等の経営参加発言を規定する企業組合を適当と選んで、企業組合出西窯とする。

記念品について

[ 昭和30年 ]
高松宮殿下、出西窯お立寄記念

1956年(昭和31)

5 月、日本民藝協会第 10 回全国協議会が松江及び出雲で開催され、柳宗悦先生、河井寬次郎先生、浜田庄司先生等同協会一行を迎える。同協議会で各地の新作民藝の努力に対し、当年の重点的指導、援助を与えるものに選ばれる。

記念品について

[ 昭和31年 ]
日本民藝協会全国大会のため
出西窯を訪れた浜田庄司先生、
河井寬次郎先生

1957(昭和32)

10 月、第 5 回鳥取民藝協団展に出品する。

1961年(昭和36)

11 月、バーナード・リーチ先生が出雲民藝協会認証式出席後に来訪、指導を受ける。

記念品について

[昭和36年頃]
出西窯を訪れた
バーナード・リーチ先生

1962(昭和37)

夏、柳宗理先生初めて来訪する。

1964年(昭和39)

10 月、バーナード・リーチ先生来訪、指導を受ける。水害により仕事場の移転を計画する。

記念品について

[昭和39年]
バーナード・リーチ先生と
出西窯メンバー

1966(昭和41)

現在地に仕事場を移転する。

1970年(昭和45)

浜田庄司先生が再度来訪、指導を受ける。

記念品について

[昭和44年]
浜田庄司先生と出西窯メンバー

1974(昭和49)

1 月 13 日、火災により仕事場焼失。衆恩に支えられ直ちに再建する。

1975(昭和50)

安田信託銀行広島支店長とのご縁により同支店にて出西窯新作陶器展が始まる。

1977(昭和52)

10 月、東京銀座・たくみにて出西窯創業 30 周年記念展を開催する。

1979(昭和54)

鈴木繁男先生より指導を受け始める。

1980(昭和55)

元烏取民藝美術館の建物2棟をゆずり受け、出西窯敷地内に移築し、吉田璋也記念館及び出西研修館とする。

1982(昭和57)

永 六輔氏、初来訪。以後、窯にて「お話の会」を定期的に開催。

1984(昭和59)

金津滋氏、長岡名産堂、TSK(山陰中央テレビ)とのご縁によりTSK展示ホールにて出西窯展が始まる。11 月、出西窯内にて「炎の祭り」を開催する(以降、平成17年まで) 。

1986年(昭和61)

3 月、東広島市立美術館主催山陽・山陰路の現代陶藝展-後期展:山陰路のやきもの展-に招待出品「鉄釉丸紋土瓶」他。

1987年(昭和62)

4 月、創業 40 周年を記念して「無自性」 (「衆縁に従るが故に必ず自性無し」) の碑を建立する。

記念品について

[昭和62年]
出西窯にて無自性碑の
開眼をする山本空外

1992年(平成4)

東京銀座・たくみにて創業 45 周年記念出西窯展を開催する。

記念品について

[平成2年]
鈴木繁男先生、出西窯にて

1993年(平成5)

10 月、東京国立近代美術館工芸館にて企画展「現代の陶藝 (I) 山陰の陶窯―出西窯」が開催される。

1995年(平成7)

伊丹市工芸センターにて「出西窯展」開催。

1996年(平成8)

島根県ふるさと伝統工芸品の指定を受ける。

1998年(平成10)

4 月、展示場「くらしの陶・無自性館」竣工。9 月、平田市立旧本陣記念館主催「郷土の陶芸②出西窯」開催。

記念品について

[平成10年4月]
無自性館 (展示販売場) 落成

1999年(平成11)

この頃より柳宗理先生の指導のもと、黒土瓶の復刻と柳宗理意匠の器の製作に取り組む。

2004年(平成16)

柳宗理ディレクション出西窯シリーズの販売を開始する。

2007年(平成19)

創業 60 周年。展示場くらしの陶・無自性館にて記念展を開催。

2008年(平成20)

10 月、国際交流基金主催「WA-現代日本のデザインと調和の精神展」 (於パリ日本文化会館) に「縁鉄砂呉須釉皿」が選ばれる (欧州各国で巡回展が開催された後、日本で帰国展を武蔵野美術大学にて開催)。

2009年(平成21)

4 月、国際交流基金主催「WA-現代日本のデザインと調和の精神展」 (於ブタペスト応用美術館) が開催される。

2013年(平成25)

「出雲の民窯 出西窯(多々納弘光著 ダイヤモンド社)」出版。
出雲ブランド商品に認定される。

2015年(平成27)

企業組合出西窯から、株式会社出西窯に改組する。

2017年(平成29)

創業70周年。安来市加納美術館にて「100年デザイン-出西窯-70年の歩み」が開催される。

2018年(平成30)

3月、出西窯を母体とした「株式会社出西ビレッジ」設立。
5月、出西窯敷地内に「ルコションドール出西」オープン。
   「出西くらしのヴィレッジ」スタート。